バックキャストの手法による未来社会のデザイン
これまでの日本社会では、望ましい社会についてビジョンが共有されないまま、将来予測が示され、政策が打ち出されてきました(フォアキャストのアプローチ)。それによって実現されるのは、「将来のありうる社会」でしかありません。目先の課題への対応に追われ、困難な問題は先送りされてしまいます。
それに対して私たちは、まず最初に、望ましい社会について明確なビジョンを描き、そこから解決すべき具体的な課題を明らかにするというバックキャストのアプローチをとります。このアプローチとともに「将来のあるべき社会の姿」が具体的になり、そこに到達するためのロードマップを策定することができるようになります。「将来のあるべき社会の姿」は状況に応じて変わりうるでしょう。しかし、もしビジョンが描かれていなければ、それを更新することさえできません。
パートナーシップに基づく多様なステーク ホルダーとの協働
地域社会に対して、大学の「やりたいこと」を一方的に押しつけるのでなく、かといって地域社会の「期待」や「要望」にひたすら寄り添うのでもありません。「支援者―被支援者」という図式を超えて、地域コミュニティと対等なパートナーシップを築き上げます。多様なステークホルダーとの対話を通して、ビジョンを共に描き、地域社会の「真の課題」を掘り起こします。共創的事業の所産や恵みはもとより、責任とコストをパートナーとシェアし、学び合いながら、協働を進めます。
分野横断的なチーム単位で持続可能な事業 を展開する
大学における教育・研究・社会連携の諸活動を統合的に捉え、専門分野や部局(学部・センター・研究所等)の壁を超えて、「オール静大」の旗印のもと、一人ひとりが持ち味を発揮できる分野横断的な協働を進めます。地域社会の課題に応じて学際的なチームを組織し、複雑な課題の解決にあたります。持続可能で包括的な地域づくりのパートナーとして、知の拠点としての大学の資源を最大限に活用します。